枕元にあるスマホを手に取る。
アラームが鳴る前に目が覚めた。
地下室から起き出してスマホを片手に持ったまま上階のリビングへ。
冷蔵庫からキレートレモンを取り出して口を湿らせる。
寝室が地下にある。
地下とはいえ、まったく光が入らないわけではない。
ドライエリアが設けられており、明かりが入ってくるからだ。
それでも空は見えない。
東京には空がない。
今日の天気は、晴れだろうか?
もうひと眠りしようとまた寝室に戻ろうとしたときに、チャイムが鳴った。
インターフォンのモニターには、口角の上がった口元が映っている。
段ボール箱だ。
リビングのテレビに電源を入れ、その足で脱衣所へ。
テレビは観ない。
ただそこにあり、ただ点いているだけの賑やかしに過ぎない。
湯船に栓をし、固定されていることを確認後、お湯張りボタンを押す。
いつもの彼女が開始を告げる。
その傍らで完成している洗濯物を取り出し、バスタオルを畳んでいく。
バスタオルはまだ温かい。
「ふかふかだね」
こうしている間も、心の朝勃ちがまったく収まらない。
むしろどんどん血が巡り滾り、天へ向けて屹立していく。
そしてふと思い出す。
そういえば何が届いたのだろう?
いや待てその前に。
持ってたスマホは?
手に持っていたはずのスマホはどこへ?
今から二度寝?
♪海へ行こうよBABY
「今日もいいことありますように」
静かに願い、そして探す。
怒張のままに。
パンイチのままに。
【お詫び】ブログタイトルに誤りがありました。「『伝える勇気』と『待つ覚悟』」ではなく、正しくは「スタッフNATU、ある日の朝」でした。訂正してお詫びいたします。